SAIFUKUのニットは、日々の暮らしの中で見つけた小さな気づきから生まれています。色や素材、編み方、季節の風景など、心に留まったものをヒントに、ニットの新しい表現を考えています。
この「SAIFUKUのデザインノート」では、そんなアイデアがニットになるまでの背景を、つくり手の視点からお届けします。
今回はふわふわとただよう冬のもやを見つめて誕生した「ポンチョケープ ふわふわただよう雪国新潟の冬のもや」についてお話します。
山からはじまる、冬の景色

ふんわりと山頂から雪化粧がはじまると、そろそろ本格的な冬の到来。
粉砂糖をふりかけたような繊細で儚い景色を見ると、美しさとともに「いよいよ雪の季節がやってくる」と気構えます。
雪が人々にもたらす恵みはスキーなどのウィンタースポーツ、そして雪どけ水による美味しいお米などたくさんありますが、ひとたび森の自然に分け入ると、白一色ではない雪の世界が表情豊かで、それだけでわくわくします。
雪国の景色に現れた、冬のもや

「もや」をとらえたこの写真は、魚沼にある宿「里山十帖」から巻機山(まきはたやま)を望んだもの。
雪が音を吸収してしまうから、あたり一面がしんとした静寂に包まれているところへ、右から左へともやが立ちこめて行きました。
生き物のようにやってきた、その突然のもやの登場に、まるで見てはいけないものを見たかのように、心臓がドキッとしたものです。
ふと気が付くとそこにあり、おとぎ話の世界に迷い込んでしまったかのよう。
その静かな佇まいが辺りの輪郭をやさしくぼかして、はりつめた冷気の中でさえ、ぬくもりを感じます。
ふわふわとただよう冬のもやから、やわらかな毛足があたたかいポンチョケープ「ポンチョケープ ふわふわただよう雪国新潟の冬のもや」が生まれました。

雪がつくる、白だけではない世界

もやに限らず雪に覆われた世界は実に多彩。
ダケカンバの木肌がむけてやさしい色合いをのぞかせ、ほっと和ませてくれたり、霧氷が枝の片側だけに付き、美しいコントラストを描いたり。
ただの赤い木の実も、白の世界では宝石のように輝きます。
そのひとつひとつに惹かれ、気がつけばもっと深く雪の世界へ踏みこみたくなります。


そして、動物たちの気配にも出会います。
奥深いブナの森でカモシカの姿を見つけたり、雪の上に描かれたウサギの足跡が交差点になっていたり。
雪があることで、世界の美しさの目盛りが一段上がったかのような、そんな感動に出会えるのです。


profile

斉藤 佳奈子
「SAIFUKU」のブランドマネージャー。子供の頃は、ニット工場の糸置き場に秘密基地を作って遊んでいました。この数年の趣味は登山。自然の中に身を置く幸せを感じています。






